視聴者論
和辻哲郎『古寺巡礼』を読み始めて痛感させられるのは、自分がいかに映像作品や周囲の風景を観察できていないかということである。そして観てとったものをことばに落としこむ能力も足りないのである。それほど、『古寺巡礼』の冒頭を読んだだけでも和辻の観…
2クールアニメとの折り合い方序論 いま、9chで『アイドルマスター』があらためて放送されているのを観て、ああ、このアニメが本放映されていた頃は、1クール折り返しでついていけず見切ってしまったなあ、2クールだったからな、と思い返す。『シュタイ…
アニメは受動的なメディアではなく能動的なメディアである。受け手がアニメを十分に味わうには受け手の方から積極的にアニメに働きかける必要がある。作品の意味を汲み取り考察することも、その一つのかたちであるといえよう。いつまでも「好き嫌い」の次元…
「習うより慣れろ」という諺を知っているかたは多かろう。なにかを習得しようとすると、つい無理に肩に力が入ってしまうもの。呼吸をととのえて、自然体で、なにかにからだを順応させるべきだ。 アニメにしてもそうだ。アニメはからだで覚えるべきだ。からだ…
『ガールズ&パンツァー』と『ラブライブ!』。どちらも、バンダイビジュアル販売元の、美少女メインの、売れたアニメ。わたしは好き嫌いでいえば、断然『ガールズ&パンツァー』のほうが好きだった。なぜか? 答えは、単純。キャラデザも劇伴も『ガルパン』…
『俺修羅』は、観やすい。自分を高めるたぐいの創作ではない。ただ重要なことは、わたしが『俺修羅』を楽しく観れている、という事実。作品を楽しんでいるという事実を尊重しよう。では、なぜ『俺修羅』は楽しく観れるのだろうか?ひと言で済ませるならば、…
これまでも各方面で書いてきたとおり、わたしはアニメに序列をつけることを否定しない。 自己の評価軸を作ることで、アニメがいっそう楽しくなると信じている。しかし、序列づけとは、厳密なランキングを作ることとは限らない。 いま、レビューサイトで即席…